【小児科blog:NICU, ER, 薬剤】小児の電解質異常について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科blog:NICU, ER, 薬剤】小児の電解質異常について

救急

高・低Na血症、高・低K血症などの電解質異常は決して稀ではありません。

また、入院時は電解質異常がなくても、輸液療法を何も考えずに継続すると医原性に引き起こしてしまうこともあります。

それでは、電解質異常はどんな点に注意して、治療方法は何があるでしょうか?

高Na血症

・中等度から高度の血管内脱水があれば、まず等張液の輸液を行う。

・慢性の高Na血症(150 mEq/Lが24時間以上)、または急性の高Na血症(160 mEq/L以上)では、補正速度は0.5 mEq/L/hr(10-12 mEq/日)を超えないようにする。

低Na血症

・慢性経過では、浸透圧性脱髄症候群を避けるために緩徐に補正する。

・重度の症状(痙攣・昏睡)があれば、Na補正を急ぐ(症状が改善すれば、以後は緩徐に)

・Na不足ならNa補充、自由水過剰なら水分制限。

補正の仕方

急性かつ痙攣や意識障害あり

緊急補正

3%食塩液 3−5mL/kg 10-15分(血清Na 2.5−4mEq/L上昇)

→痙攣が続くなら2回目を投与。

緊急補正後の目標

必要時3%食塩液 1−2mL/kg/hr 持続投与

→Na 8-9 mEq/L/日 未満の上昇

急性でなく症状のないケースの治療目標

緊急補正後の目標は以下の通り

Na 6-8 mEq/L/日 の上昇

慢性で症状のない場合

Na 6-8 mEq/L/日 未満の上昇

高K血症

・不整脈を起こすため、以下の治療が考慮される。

カルシウム静注

グルコン酸カルシウム(カルチコール®️)

用量:0.5-1 mL/kg(42.5-85 mg/kg)

投与時間:5分

適応:テント状T波以外の心電図変化(QRS間隔延長、P波増高など)を伴う場合

機序:心筋細胞膜安定化

グルコース・インスリン療法

レギュラーインスリン 0.1単位/kg + グルコース0.5g/kg

投与時間:30分

機序:細胞外のKを細胞内に移動

重炭酸ナトリウム静注

重炭酸ナトリウム 1mEq/kg

投与時間:10-15分

機序:細胞外のKを細胞内に移動

β2刺激薬吸入

サルブタモール(ベネトリン®️) 0.1-0.3mL(0.5-1.5mg)

機序:細胞外のKを細胞内に移動

ループ利尿薬

フロセミド 1mg/kg 静注

 ※乳酸リンゲルなど等張液で血管ボリュームを維持しながら投与

機序:K排泄促進

低K血症

・体外へのカリウムの喪失(尿中への喪失と消化管への喪失に分けられる)、カリウム摂取不足、細胞外から細胞内へのカリウムの移動に分けて考える。

・ループ利尿薬(ラシックス)は、尿中へのカリウムの喪をきたす

・インスリン、β作動薬、アルカローシスは、細胞内へのカリウムの移動の主要因子である。

・下剤(酸化マグネシウムetc)の投与は、消化管へのカリウムの喪失をきたす。

・漢方剤の一種である甘草は、アルドステロン作用をもつグリチルリチンを含むため、尿中へのカリウム排泄を更新させる(偽性アルドステロン症

内服

グルコン酸K 0.5 mEq/kg/doseを適宜

静注

KCL 0.5-1 mEq/kg/dose  中心静脈から1-3時間かけて

※末梢静脈から投与できるKの最大濃度は40 mEq/L

適応:不整脈・筋力低下など症状あり、血清K<2.0mEq/L、血清K<3mEq/Lで致死的不整脈の既往あり、QT延長、ジゴキシン内服などのリスクあり

高Ca血症

・生理食塩水、カルシトニン、ビスホスホネートの順で必要に応じて治療

生理食塩水

作用時間:投与中

機序:血管内容量の回復、尿中排泄増加

カルシトニン

エルカトニン®️ 成人40単位を1日2回

効果発現時間:4-6時間

作用時間:48時間

作用機序:骨再吸収阻害、尿中排泄促進

ビスホスホネート

ゾレドロン散 成人 4mg 単回投与

効果発現時間:24-72時間

作用時間:2-4週間

作用機序:骨再吸収阻害

低Ca血症

・Caを注射で補充する。

グルコン酸カルシウム

カルチコール®️ 0.5-1mL/kg (42.5-85 mg/kg)

塩化カルシウム

用量:20mg/kg

・急速投与で徐脈、心停止の危険あり。5分以上かけて、緊急性がなければ1−3時間かけて投与。

・血管外漏出による組織壊死をきたしうるため、末梢静脈からの投与はできるだけ避ける。

・必要に応じてCaない服、活性型ビタミンD3製剤も併用する。

低Mg血症

硫酸マグネシウム 50mg/kg(最大量2g)

・マグネシウム換算で 0.4 mEq/kg(=0.2 mmol/kg)

・急速投与で血圧が低下する。

・緊急時では2-15分かけて投与。そうでなければ、数時間以上かけて投与する。

低P血症

症状

意識障害、骨格筋障害(近位筋優位の筋力低下)、横紋筋融解症、イレウス、嚥下障害、横隔膜の筋力低下による呼吸障害など

無症状だが、血清P<2.0mg/dL

経口リン酸製剤(ホスリボン®️) 20-40 mg/kg/日(最大量3000mg/日) 分3-4

 (0.65-1.29 mmol/kg/日. 1 mmol=31mg)

症状あり、血清P 1.0-1.9 mg/dL

 ホスリボン®️同上

症状あり血清P<1.0 mg/dL

リン酸ナトリウム or リン酸二カリウム 0.25-0.5 mmol/kg(0.5 mEq-1mEq/kg) 8-12時間かけて

参照

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