忙しい小児科医の専門医試験対策は「情報整理」が9割
こんにちは、小児科医のりんご🍎です。私は、昨年2025年度に小児科専門医試験を受験し、無事合格したばかりの小児科医4年目です。
専門医試験を受験したばかりだからこそ、まだ受験勉強の記憶が残っており、これから専門医試験を受ける後輩たちの助けになれば、と思いこの記事を作成することにしました。
「最新のガイドラインをすべて追う時間がない」
「分厚い問題集を持ち歩くのはもう限界……」
小児科専門医試験を控えた先生方、本当にお疲れ様です。日々の診療と試験勉強。中には私のように育児をしながら、という方も多いでしょう。
このような「仕事をしながらの試験勉強」を乗り越えるには、大学受験や医師国家試験の時のような、従来の根性論ではなく、生成AI等の活用による徹底的な効率化が必要です。せっかくの生成AIや最新テクノロジー、受験勉強に活用しない手はないですよね。
この記事では、まず最初に用意しておいた方が良い教材から、NotebookLMに読み込ませるべき必須ガイドライン、Geminiを家庭教師にするプロンプト集まで、最短ルートでの合格を勝ち取るための全ノウハウを公開します。
それでは、ぜひご覧下さい👇️
まず揃えるべき教材
浮気は厳禁。色々な教材を使うのではなく、以下の教材を骨格にして勉強します。
※過去問については、復元されたものが色々とありますが、それはもう手持ちの物で戦うしかないです。大事なものですので、早めに目を通して演習されることを推奨します。今回のブログでは、あえて割愛いたします。
① 専門医をめざす!小児科試験問題集(改訂第2版)
学会監修の「バイブル」です。なにせ学会がつくっているので、流石に勉強しましょう。
実際、全く同じ問題は出ないにしても、「分野ごとにこういう傾向の問題がでるんだ」という参考になります(感染症ならワクチン関連は基本知識を大事にするとか、新生児なら〇〇の薬剤はこういう症例で使うか、この検査はどういう検査基準があるかとか)。
ただし…これは実のところ、結構難しいですよ。最初に取り掛かると自身喪失してしまうかも?
ある程度、下記の教材に手をつけてから取り掛かるのが良いかと思います。
② 小児科専門医 受験のための最速トレーニング144問
近年の出題傾向に即した良問揃いです。①の教材よりは個人的には解きやすかったです。
解説がQ&A方式となっており、見やすさは⭕️、しかし…欠点としては、問題数が少ないことです。
③ イヤーノート小児科
上記①、②よりも、個人的には圧倒的に、まずこれを用意しましょう!!と強く勧めます。
実際、過去問や例題集よりも、実際に役立つのは実臨床の経験・知識なんだと、専門医試験を終了した今実感しています。どれだけ基本に忠実に勉強を行っていたかが重要です。
そして、変わることのない基本とは、「医師国家試験」問題で出題される内容とも、当然相関しています。以外と出題される内容は、同じようなトピックが多いと思います。
残念ながら、今は書籍版がなくアプリのみなのですが…やっぱり紙書籍が良いですよ。空欄に自分で調べた情報や、国家試験では不足している内容を追記していくというスタイルがとっても勉強になりました。医学生の時は、こんなに沢山情報あってオーバーワークだよ!と思っていたレビューブックが、専門医試験では、逆に情報たりないよ!と感じます。自分だけの参考書にして下さい。
④ 100%小児科
今は取り扱いがあまりなさそう..。少し古い書籍ですが、個人的には好き。
空白が多いので書き込み放題。
NotebookLMを「最強の辞書」にする必須ガイドラインURLリスト
みなさんはNotebookLM、知っていますか?
NotebookLMを初めて聞く方に、その凄さを一言で伝えるなら「あなたが渡した資料(ガイドラインや教科書)だけを完璧に暗記している、超優秀な専属秘書」です。
一般的なAI(ChatGPTやGeminiの通常版)との決定的な違いを、3つのポイントで解説します。
1. 「嘘をつかない」ための仕組み(ソース・グラウンディング)
普通のAIは、インターネット上の膨大な情報から「もっともらしい回答」を作ります。そのため、時には医学的に間違った情報(ハルシネーション)を混入させることがあります。
しかし、NotebookLMは「あなたがアップロードした資料の中だけ」から答えを探します。
- 資料に書いていないことは「書いてありません」と正直に答える。
- 回答の根拠となったページや箇所を引用(ソース)として表示してくれる。 この「根拠がすぐ確認できる」という点が、正確性が求められる医師の勉強に最適なんです。
2. 膨大なPDFを「一瞬で」インデックス化
例えば、数百ページあるガイドラインのPDFを読み込ませると、数秒で内容を把握します。
- 「以前のガイドラインからの変更はある?」と聞けば、該当箇所を抜粋して要約。
- 「試験に出そうな数値を表にして」と言えば、資料内の数字を整理。 分厚い本をめくって探す時間を、ゼロにしてくれます。
3. 「耳から覚える」ポッドキャスト機能
これが最も驚かれる機能です。読み込ませた資料を元に、「二人の人間が内容について対談している音声(英語、または設定により日本語)」を自動生成できます(Audio Overview)。
- ガイドラインの内容を、ラジオ番組のような自然な会話で解説。
- 通勤中や家事中に、自分の勉強したい資料を「聴く」ことができます。
実際の活用画面
試験で重要なのは、やはりガイドライン。ガイドラインこそ正義。
それでは、実際のNotebookLMの活用した画面を見ていきましょう。NotebookLMを利用し、疑問点を調べる時間を短縮!

実際の画面がこんな感じです⇧

ものの数秒で、入力した質問に答えてくれます。なんて便利!
さらに、Studio機能では、読み込んだガイドラインの情報を元に、色々な機能が使えます。一押しは、「クイズ」モード。
これで、スマホさえあれば、どんな隙間時間も簡単なクイズで演習できちゃう。凄いですよね。

また、過去問があれば、それをNotebookLMに読み込ませて、Studio機能のクイズモードを利用すれば、何回も同じ問題を解いて答え覚えちゃった問題も解決。少し角度を変えた出題で、問題演習ができます。これは革命です。
生成AI(Gemini, ChatGPT etc)を「専属家庭教師」に変える特製プロンプト集
生成AIに以下の指示をコピー&ペーストして使ってください。あなたの勉強スピードが劇的に変わります。ただ質問するだけでは勿体ないですよ。生成AIを使い倒しましょう!
プロンプト①:複雑な病態生理を噛み砕く
「あなたは優秀な医学教育の専門家です。**[疾患名:例:先天性副腎皮質過形成]**の病態生理と、試験で問われやすいホルモンの増減のメカニズムを、医学生にもわかるように図解的な文章で解説してください。特に21-水酸化酵素欠損症の特徴に重点を置いてください。」
プロンプト②:忘れない語呂合わせを生成する
「小児科専門医試験対策として、**[覚えたい内容:例:ファロー四徴症の4つの特徴]**を覚えるための、インパクトが強くて忘れにくい語呂合わせを3つ提案してください。」
プロンプト③:ガイドラインの変更点を抽出する
「**[ガイドライン名]**の最新版において、旧版から大きく変更された診断基準や治療推奨度を箇条書きでリストアップしてください。特に『数値』が関わる変更点を重視してください。」
時期別・最短合格スケジュール
| 時期 | 学習内容 | AI活用術 |
| ~6ヶ月前 | レポート完成・問題集1周目 | 個人情報を消した上で、日本語の正確性などレポートの論理構成を確認。 |
| 3ヶ月前 | 苦手分野の徹底攻略 | NotebookLMにガイドラインを入れ、不明点を質問しまくる。 |
| 1ヶ月前 | 暗記項目の総仕上げ | AIに「ひっかけ問題」を作らせてセルフクイズ。 |
仕事・育児と両立する「勉強戦略」
【普段の仕事と並行するコツ】
- 「iPad勉強法」への完全移行:すべての書類、問題集をiPadに入れ、回診の待ち時間や移動中の5分を「1問解く時間」に変えます。
- 「臨床=勉強」の意識:受け持ち患者の疾患について、その場で専門的な書籍とガイドラインをチェック。これが最強のインプットです。実臨床での記憶に勝るものはありません。どんな勉強よりも、やっぱりこれが大事。
【子育てしながら勉強するコツ】
- 「朝4時の聖域」:夜は子供と21時に寝落ちしてOK。その代わり、脳がクリアな朝の1時間を確保します。
- 音声学習の活用:生成AIで調べた内容、NotebookLMに読み込ませた内容を、NotebookLMの読み上げ機能で流し、食器洗い中や送迎中に「耳学」します。
まとめ:新時代の勉強法確率は、試験後も有効
試験勉強は自分との戦いですが、今の時代、あなたは一人ではありません。最新のAIツールと、整理されたガイドライン。これらを武器に、賢く、確実に合格を掴み取りましょう。
そして、この専門医試験での勉強を、それっきりにするのは勿体ない。効率的に勉強する方法をせっかく身につけたのなら、その後も日常診療で同じことをすれば良いのです。臨床でも疑問を解決するには、知識を身に着ける勉強が不可欠。生成AIや最新テクノロジーを活用した効率よい学びを継続していきましょう。
あなたの合格が、より多くの子供たちの笑顔につながることを信じています。
また、ぜひ私のブログも覗いてみて下さい。
🔗https://www.yuru-pediatrics.com/blog/
専門医試験の勉強に活用していた私の外部サーバーみたいなものです。ちょっとでも試験・日常診療の役にたつのであれば、幸いです。
今後ともよろしくお願いします。


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