【小児科医Blog:発達・精神】ADHD(注意欠如・多動症)について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医Blog:発達・精神】ADHD(注意欠如・多動症)について

精神科

総論

・小児の5%、成人の約2%に認められる疾患です。

・7歳未満(多くは4歳以前)に発症します。

・10-20%に学習障害を併発します。

特徴

不注意

  • 細部を見逃したり、見過ごしてしまう、作業が不正確である
  • 講義、会話、または長時間の読書に集中し続けることが難しい
  • 直接話しかけられたときに、しばしば聞いていないように見える
  • 課題をはじめるが、すぐに集中できなくなる
  • 課題や活動を順序立てることが困難
  • 精神的努力の持続を要する課題を嫌がる
  • 課題や活動に必要なものをしばしばなくす
  • しばしば外的な刺激によってすぐ気が散ってしまう
  • しばしば日々の活動で忘れっぽい

ADHDの子供たちへの環境の工夫

  • まずは、非薬物療法として「環境調節」が重要です。

物理的環境(への介入)

  • 黒板が見やすい位置の工夫
  • 先生からの指示が入りやすい座席の配置の工夫
  • 黒板の周りを気が散らないように掲示物をシンプルにする工夫
  • 板書の量をできるだけ少なくする
  • 整理しやすいロッカーや引き出しの工夫
  • 課題のレベルや量を本人に合わせる工夫
  • プリントの文字の大きさや量の工夫
  • 次の行動につながる、わかりやすいスケジュールの掲示などの工夫

人的環境(行動への介入)

  • 何をしてよいかわからない時間や状況への対応の工夫
  • 個別の支援や視覚的な支援の工夫
  • はじめての課題や行事に対する不安について話あいが親子でなされているか
  • 本人が困っている高度を具体的に定義できていること
  • 先生や子供の指示の仕方の工夫
  • 適切な行動を具体的に提示できている
  • 適切な行動が見られたら、クラスの中で認められたり、褒められたりしていること

ADHDの子供(6歳以上)に使用可能な薬剤

・メチルフェニデート徐放製剤(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン(インチュニブ)、リスデキサンフェタミン(ビバンセ)の4種類が使用される。

6歳未満における有効性・安全性は確立していない

・上記の内、徐放性メチルフェニデート(コンサータ)とリスデキサンフェタミン(ビバンセ)の処方には「ADHD適正流通管理システム」への登録が必要。医師は日本小児科学会または日本精神神経学会の専門医かつ, 特定の学会への所属が必要。処方される患者もイニシャル, 性別, 生年月日などの登録が必要。その他にも薬局の登録も必要。

①メチルフェニデート徐放製剤:コンサータ®︎

  • 種類:中枢刺激薬
  • 作用機序:ノルアドレナリン・ドーパミン再取り込み阻害
  • 効果発現:はやい
  • 持続時間:半日
  •   →学校における困難が目立つ子供において症状改善が目立つ
  • 使用法:1日1回朝食後、チックを増悪させるので禁忌
  • 副作用:食欲低下、不眠、頭痛
    • 学校で給食が食べられないこともしばしばあり、朝食や帰宅後の食事量に注意
  • 注意点:覚醒作用があるため午後の服用は避ける、処方登録制度あり
    • 処方登録制度:ADHD適正流通管理システム(患者さん自身も登録必要)

②アトモキセチン:ストラテラ®︎

  • 種類:非中枢刺激薬
  • 作用機序:ノルアドレナリン再取り込み阻害
    • コンサータと異なり報酬系には関与しないので依存形成しにくい
  • 効果発現:おそい
  • 持続時間:終日
    • 持続時間長いので、学校以外の生活状況の改善も期待される。
  • 副作用:頭痛や眠気
  • 注意:併用薬注意、CYP2D6により代謝

③グアンファシン:インチュニブ®︎

  • 種類:非中枢刺激薬
  • 作用機序:アドレナリン受容体(α2A)刺激
    • ドーパミンやアドレナリンに働きかけず、アドレナリン受容体を刺激し前頭前皮質機能を向上させる。
  • 効果発現:やや早い
  • 持続時間:終日
  • 注意:併用薬注意、CYP3A4により代謝、低血圧に注意、房室ブロック(Ⅱ・Ⅲ度)には使用不可なので使用前に心電図検査を行う
    • インチュニブはもともと降圧薬として開発されている。

④リスデキサンフェタミン:ビバンセ®︎

  • 種類:中枢刺激薬
  • 作用機序:ノルアドレナリン・ドーパミン再取り込み阻害
  • 効果発現:はやい
  • 持続時間:半日(コンサータより長い)
  • 副作用:食欲低下、不眠、頭痛
  • 注意:覚醒作用があるため午後の服用を避ける、他のADHD薬が効果不十分な場合のみ使用(リスク評価が実態調査では不十分なため)、処方登録制度あり

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