「ナッツ類は体に良い」と聞くけれど、子供に与えるのはちょっと怖い…そう感じているパパ・ママは多いですよね。
実は今、小児科の現場で「クルミ」と並んで急増しているのが「カシューナッツ」のアレルギーです。 しかも、カシューナッツアレルギーは、ほんの少しの量でも強い症状が出やすいという特徴があります。
今回は小児科医の視点から、カシューナッツアレルギーの「意外な落とし穴」と、日常生活で気をつけるべき「交差反応(似たものアレルギー)」について、解説します。
なぜ「カシューナッツ」が要注意なのか?
重篤な症状が出やすい
卵や牛乳のアレルギーは、成長とともに食べられるようになる(耐性を獲得する)ことが多いですが、ナッツ類のアレルギーは「治りにくい」上に、「アナフィラキシー(呼吸困難や意識障害などの重い症状)」を起こしやすい傾向があります。
特にカシューナッツとクルミは、近年、日本の小児における原因食物として上位に食い込んできています。
「加熱すれば大丈夫」ではない
果物アレルギーのように「加熱すれば食べられる」というケースは稀です。カシューナッツのアレルゲン(タンパク質)は熱に強く、クッキーに入っていても、カレーに入っていても、アレルギー反応を起こす力は変わりません。
カシューナッツと「ピスタチオ」は兄弟です
ここが今回の記事で一番伝えたいポイントです。 もし、お子さんが「カシューナッツアレルギー」と診断されたら、「ピスタチオ」も避ける必要があります。
植物学的な「交差反応」
カシューナッツとピスタチオは、植物学的に同じ「ウルシ科」に属しています。これらはタンパク質の構造が非常に似ているため、カシューナッツに反応する体は、ピスタチオを「敵だ!」と誤認して攻撃してしまう確率が非常に高いのです。
- カシューナッツ NG ≒ ピスタチオ NG
- マンゴーも親戚?
- 実はマンゴーもウルシ科です。ナッツほど高確率ではありませんが、カシューナッツアレルギーの子がマンゴーを食べて口が痒くなるなどの反応が出ることがあります。念のため頭の片隅に置いておいてください。
見えないカシューナッツに注意!「隠れアレルゲン」リスト
ナッツそのものを避けるのは簡単ですが、加工食品に隠れている場合は厄介です。特に以下のメニューには注意してください。
- バターチキンカレー(インドカレー全般)
- コクを出すためにカシューナッツペーストが大量に使われていることが多いです。「ナッツ入り」と書いていなくても入っていることがあります。
- ジェノベーゼソース(パスタ)
- 本来は「松の実」を使いますが、市販品やカジュアルなレストランでは、代用としてカシューナッツが使われることがよくあります。
- 中華料理・創作料理
- 炒め物のトッピングや、ドレッシングのコク出しに使われることがあります。
- ヴィーガン(植物性)スイーツ
- 牛乳や生クリームの代わりに、カシューナッツミルクやクリームが使われることがあります。
これからナッツを試す方へ医師からのアドバイス
まだアレルギーかどうかわからないけれど、ナッツを進めたい場合、以下のステップを推奨します。
- 体調が良い日の平日の午前中に
- 万が一症状が出ても、すぐに病院に行ける時間帯に試しましょう。
- まずは「パウダー」や「ペースト」から
- 誤嚥(窒息)のリスクを避けるため、粒のまま与えるのは5歳以降推奨です。最初は製菓用のカシューナッツパウダーをごく少量から試すのが安全です。
- 不安な場合は受診を
- 湿疹がひどい場合や、すでに他の食物アレルギーがある場合は、自己判断で進めず、かかりつけ医に相談してから開始してください。
まとめ
カシューナッツアレルギーは、知っていれば防げる事故がたくさんあります。
- カシューナッツとピスタチオはセットで警戒
- カレーやジェノベーゼなどの「隠れナッツ」に注意
- 症状が強く出やすいので、誤食には十分気をつける
「知る」ことが、お子さんを守る一番の予防接種です。正しい知識を持って、安全に食卓を囲みましょう。


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