【小児科医🍎blog】赤ちゃんの股関節脱臼は予防できる?今日から守る「M字開脚」と3つのサイン | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医🍎blog】赤ちゃんの股関節脱臼は予防できる?今日から守る「M字開脚」と3つのサイン

整形

こんにちは! 2歳の娘の絶賛イヤイヤ期に悩まされつつ、日々診療にあたっている小児科医りんご🍎です。

赤ちゃんの健診で、医師が必ずチェックする項目のひとつに「股関節の開き」があります。

「股関節脱臼」と聞くと、「生まれつきのものだから仕方ないのかな…」と思うパパママも多いかもしれません。

でも実は、現在の医学では「赤ちゃんの股関節脱臼は、生まれた後の環境やケアで予防できる部分が大きい」ということが分かっています。

今回は、赤ちゃんの大切な足を守るための「発育性股関節形成不全」の基礎知識と、お家でできる予防法について、できるだけ分かりやすく解説します。

1. 「先天性」ではなく「発育性」に名前が変わった理由

以前は「先天性股関節脱臼」と呼ばれていましたが、現在は「発育性股関節形成不全」という名前に変わっています。

なぜ名前が変わったのでしょうか? それは、「完全に外れた状態(脱臼)で生まれてくる赤ちゃんはごくわずかで、多くは生後の育児環境の中で徐々に股関節が不安定になり、脱臼していく」ということが分かってきたからです。

つまり、日々の抱っこやオムツ替えなどのケアで、発症リスクを大きく下げることができるということです!これはパパママにとって、とても前向きなニュースですよね。

特に注意が必要なケース(リスク因子)

以下の条件に当てはまる場合は、少しだけ発生リスクが高いため、より丁寧な観察と予防ケアが推奨されています。

  • 女の子(男の子の数倍多いとされています)
  • 逆子(骨盤位)で生まれた
  • ご家族に股関節が悪い方がいる(家族歴)
  • 寒い時期(11月〜3月)に生まれた(厚着で足の動きが制限されやすいため)

2. お家でチェック!気をつけるべき3つのサイン

生後3〜4ヶ月健診で発見されることが多いですが、お家でのスキンシップの際にも以下のポイントを気にかけてみてください。

股関節の開きが悪い・左右差がある(開排制限)

オムツ替えの時、カエルさんのように足をM字に開いてみてください。どちらか片方の膝が床に近づきにくい、またはポキッ(クリック音)という不自然な感覚がある場合は要注意です。

太もものシワの数が左右で違う

脱臼している側の足は、お肉がたるんでシワの数が多くなったり、位置がズレたりすることがあります。(※ただし、正常な赤ちゃんでもシワに左右差があることはよくあるので、これだけで焦らなくて大丈夫です!)

足の長さが違う

仰向けで両膝を立てた時に、膝の高さに左右差がある場合は、片方の股関節がずれている可能性があります。

💡 小児科医からのアドバイス 上記のサインに一つでも当てはまると「もしかして…!」と不安になるかもしれませんが、自己判断で無理に足を引っ張ったり、押し広げたりするのは絶対にNGです!気になることがあれば、かかりつけの小児科や小児整形外科に相談してくださいね。

3. 今日からできる予防法!合言葉は「M字開脚」

赤ちゃんの股関節を守るための最大のキーワード、それは「M字開脚(カエル足)」です。 赤ちゃんにとって、足を曲げて外側に開いた「M」の字の姿勢が、股関節に一番負担がかからない自然な状態です。

⭕️ やってほしいこと(推奨されるケア)

  • 抱っこ紐は「コアラ抱っこ」 :パパママと向き合い、赤ちゃんの足がパパママのお腹をまたぐように「M字」になる抱っこ紐を選び、正しく装着しましょう。
  • ゆったりとした衣服: 足が自由に動かせる、ゆとりのある服を選んであげてください。

❌ 避けてほしいこと(NGなケア)

  • 足をピンと真っ直ぐに伸ばした状態での固定 :おくるみで巻く時や、スリングを使う際に、赤ちゃんの足を真っ直ぐに揃えて固定してしまうと、股関節が外れる方向に強い力がかかってしまいます。
  • オムツ替えで足首を持って上に引っ張る :足首だけを持って持ち上げると、膝が伸びて股関節に負担がかかります。お尻の下に手を入れて持ち上げるようにしましょう。

まとめ:正しい知識で、赤ちゃんの自由な動きを守ろう

「股関節形成不全」は、早期に発見して適切な対応をとれば、多くの場合、後遺症なく治癒する病気です。

大切なのは、「赤ちゃんの足は自然なM字をキープする」「無理に真っ直ぐ伸ばさない」の2点です。日々のオムツ替えや抱っこの時に、少しだけこの「M字」を意識してみてくださいね。

育児は毎日のことなので、ガチガチに神経質になる必要はありません。「コアラ抱っこができてるかな?」「足、元気に動かしてるかな?」と、ゆるっと確認する程度で大丈夫です。

一緒に、子どもたちの健やかな成長を見守っていきましょう!

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