【男の子のパパママ必読】お風呂で「タマ」が2つあるか確認してる?『停留精巣』と『遊走精巣』の正しい見極め方 | ゆるっと小児科医ブログ
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【男の子のパパママ必読】お風呂で「タマ」が2つあるか確認してる?『停留精巣』と『遊走精巣』の正しい見極め方

泌尿器

こんにちは!小児科医のりんごです。 毎日のお仕事、そして家事・育児、本当にお疲れ様です!

さて今日は、男の子を育てているパパ・ママに向けて「絶対に知っておいてほしい、大切な体のお話」をしていきます。

オムツ替えやお風呂のとき、お子さんの「タマ(陰嚢:いんのう)」を触ったことはありますか?

「あれ?袋がぺちゃんこで、中に何もない気がする…?」 「片方だけ、タマタマがない!」

そんな風にヒヤッとした経験がある方もいるかもしれません。

その場合、『停留精巣(ていりゅうせいそう)』または『遊走精巣(ゆうそうせいそう)』という状態ではないか、チェックしておく必要があります。

この2つ、似ているようで「治療が必要かどうか」が全く異なります。

お家でできるプロ直伝の簡単な見極め方と、受診の目安を分かりやすくまとめました!


1. そもそも、精巣はどうやって袋(陰嚢)に入るの?

赤ちゃんがお腹の中にいるとき、実は精巣は「お腹の中(腎臓のすぐ下あたり)」で作られます。そして、出産が近づくにつれて「精巣導帯」というガイドロープに導かれ、少しずつ体の下の方へ降りてきて、最終的に陰嚢(タマタマの袋)の中にすっぽり収まるのが正常なルートです。

しかし、何らかの理由でこの「お引越し」が途中でストップしてしまうことがあります。これが陰嚢が空っぽになる原因です。


2. 『停留精巣』と『遊走精巣』の決定的な違い

袋に精巣がない場合、主に以下の2つのパターンが考えられます。ここからが重要です!

🚨 停留精巣(ていりゅうせいそう)= 手術が必要なケース

精巣が陰嚢まで完全に降りきらず、お腹の中や足の付け根(そけい部)で完全に止まってしまっている状態です。

なぜ問題なの?

精巣は熱に非常に弱く、体温より2〜3度低い陰嚢の中にいるのがベストな状態です。お腹の中や足の付け根など、体温と同じ温かい場所に長期間留まると、将来の造精機能(精子を作る能力)が低下したり、将来的に精巣腫瘍(ガン)になるリスクが数倍高まることが分かっています。また、精巣がねじれる「精巣捻転」のリスクも上がります。

小児科医からのアドバイス

生後6ヶ月頃までは自然に降りてくる可能性がありますが、それ以降は自然下降はほぼ期待できません。そのため、生後1歳〜1歳半頃(遅くとも2歳まで)に、精巣を袋の中に固定する手術(精巣固定術)が必要になります。

🟢 遊走精巣(ゆうそうせいそう)= 基本は経過観察

精巣が袋まで降りてくるルートは開通しているものの、「精巣挙筋(せいそうきょきん)」という筋肉の反射によって、一時的に上へ引き上げられてしまう状態です。

特徴

寒かったり、緊張したり、太ももを触ったりすると、キュッと上に逃げてしまいます。男の子の体には、急所を守るための防衛本能(精巣挙筋反射)が備わっているんですね。

小児科医からのアドバイス

基本的には成長とともに精巣が重くなり、袋の中に落ち着くため手術は不要です。しかし、ここが要注意! 成長の過程で精巣の血管や管の伸びが悪く、徐々に高い位置に固定されてしまう「後天性停留精巣(上に上がったまま降りてこなくなる状態)」に移行する子が一部にいます。「遊走精巣だから絶対安心」ではなく、年1回程度は小児科や小児外科で定期チェックを受けることを強く推奨します。


3. プロ直伝!お風呂での「見極めチェック法」

この2つをどうやって見極めるのか。最も確実なのは「リラックスした温かいお風呂の中」でのチェックです。ご家庭での具体的なチェック手順をお伝えします。

泣いている時や、寒い脱衣所では筋肉が縮んでしまい、正しい判断ができません。

🛀 お風呂チェックの3ステップ

  1. 温かいお湯にゆっくり浸かる: 子供がリラックスして、体が十分に温まるのを待ちます(これが一番大切!)。
  2. 座る姿勢を工夫する: あぐらをかくような足の姿勢をとらせると、筋肉が緩んで確認しやすくなります。
  3. 石鹸をつけて優しく触る: お子さんが痛がらない程度の強さで、足の付け根(そけい部)から袋に向かって、指の腹で優しく撫で下ろすように探します。

💡 チェックの判定基準

【遊走精巣の可能性が高い】

  • お湯で温まると、自然に袋の中にタマタマが2つ降りてきている。
  • 上に逃げていても、指で優しく下へスッと降ろすことができ、手を離しても、しばらく(数秒〜数十秒)袋の中に留まっている。

【停留精巣の可能性が高い】

  • お風呂で温まっても、袋がぺちゃんこのまま。
  • 足の付け根にコリコリしたものは触れるが、下へ引っ張っても袋まで降りてこない。
  • 下へ降ろすことはできるが、ゴムのように強い力で引っ張られており、手を離すと「一瞬で」上へピュッと戻ってしまう。
  • そもそもどこを触っても精巣が見当たらない。


4. よくあるパパママからのQ&A

Q. 痛がったりはしないのでしょうか?

A. 停留精巣も遊走精巣も、基本的には無症状で痛みはありません。もし突然痛がったり、赤く腫れたりしている場合は「精巣捻転(タマタマがねじれて血流が途絶える緊急事態)」の可能性があります。年齢に関わらず、夜間でもすぐに救急外来を受診してください!

Q. もう2歳を過ぎていますが、片方ないことに今気づきました。手遅れですか?

A. すぐに泌尿器科(かかりつけの小児科経由でもOK)を受診してください。1歳半を過ぎていても、見つけたタイミングで早めに手術を行うことで、将来の機能を守るための最善の手が打てます。まずは医師に相談しましょう。


まとめ

男の子のデリケートな部分のお話なので、少し戸惑うパパママも多いかもしれません。 ですが、早期に発見して適切な時期(1歳〜1歳半)に治療をしてあげれば、お子さんの将来の大切な機能をしっかり守ってあげることができます。

「うちの子のタマタマ、ちゃんと2つあるかな?」 今日の夜、一緒にお風呂に入ったときに、ぜひコミュニケーションの一つとして、優しくチェックしてみてくださいね。少しでも迷ったら、一人で悩まずに私たち小児科医を頼ってください!

これからも、ゆるっと楽しく、お子さんの健康を一緒に守っていきましょう!

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