定義
・天然ゴムラテックス(natural rubber latex)のⅠ型アレルギー、いわゆるラテックスアレルギーの一部患者は、バナナ、アボカド、クリなどの経口摂取で即時型アレルギー症状を呈することがあり、これをラテックス・フルーツ症候群(latex-fruit syndrome, LFS)と言う。
疫学
・LFSはラテックスアレルギーの患者の30-50%に認められる。
・一方、代表的な原因食物であるバナナ、アボカド、キウイフルーツなどの果物アレルギー患者を見た場合、その約11%にラテックスアレルギーが認められるのみと推定されている。
発症機序
・LFSは、ラテックス抗原と果物抗原との間の交差反応に起因して生じる。
・生体防御タンパク質の一種であるクラスⅠキチナーゼ(PR-3)に属するアボカドのPer a 12、クリのCas s 5、バナナのMus a 2は、天然ゴムラテックスの主要アレルゲンであるヘベイン(Hev b 6.02)の構造に類似する、へべイン様ドメインをN末端部にもつ。
・そのため、へべイン特異的IgE抗体保有者は、果物のへべイン様ドメインに交差反応を示しLFSが起こる。
臨床像
・原因食物を摂取した直後に、口腔症状、蕁麻疹などの皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状などが現われ、時にアナフィラキシーショックに至る。
診断
・被疑食物とラテックスの感作状況について、血清特異的IgE抗体検査や皮膚プリックテスト(skin prick test, SPT)で確認する。
・SPTは血液検査よりも感度、特異度ともに高い。
・ラテックスアレルギーの診断には、素抗原のラテックスと合わせて、Hev b 6.02に対する特異的IgE抗体測定が必要である。
治療・患者指導
・LFS患者では、原因食物およびその加工品の除去と、感染源となる天然ゴム製品の接触を避けることを指導する。
・なお、交差反応リスクの高い、バナナ、アボカド、クリ、キウイフルーツには十分注意する。
ラテックスと交差反応性を示しやすい食物
ハイリスク族
・アボカド
・クリ
・バナナ
・キウイフルーツ
そのほか
・リンゴ
・ニンジン
・セロリ
・メロン
・ジャガイモ
・トマト
・イチジク
・パパイヤ
・メロン
・マンゴー
・パイナップル
・モモなど


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