急性脳症の病態は、主に3つに分類される。
・代謝異常(ミトコンドリアのエネルギー産生異常)
・全身性炎症(サイトカイン・ストーム)
・興奮毒性(痙攣重積)
以下に3つの病態ごとに特徴的な疾患と治療をまとめる。
代謝異常
・ミトコンドリアエネルギー産生異常が原因。
症候群
・Reye症候群
・先天性代謝異常(高アンモニア血症、アミノ酸代謝異常、脂肪酸代謝異常)
治療
・体温管理
・血液浄化
・ミトコンドリアレスキュー
体温管理について
・高体温を避け、積極的治療として低体温を一定に保つ。
・低体温療法は、けいれん重積の抑制のための麻酔療法、シバリング防止のための筋弛緩薬投与と併用して行うことが多く、厳密な全身管理を要する。
目標体温+継続時間:36±0.5℃×48時間
第1-2病日:36℃±0.5℃、全身冷却ブランケット使用
第3病日:筋弛緩剤中止、ブランケット終了。37℃≦全身クーリング、38℃≦アセトアミノフェン
ミトコンドリアレスキュー(ミトコンドリア救済療法)
・代謝異常型の急性脳症に主に用いる治療。
・ビタミンB1、カルニチン、コエンザイムQ10などを組み合わせて使用する。
・全身炎症型、興奮毒性型の急性脳症にも実際は使用されている。
コエンザイムQ10
・5 mg/kg/日(上限60mg/日)内服 分3
・薬剤:CoenzymeQ10 ノイキノン顆粒1%
Vit-B1
・メインの輸液にビタメジン静注用1瓶混注
VIt-C
・一律200mg/日 内服
・薬剤:シナール配合顆粒1g 分3
Vit-E
・一律100mg/日 内服 分3
・薬剤:ユベラ顆粒20%
カルニチン
・10-30 mg/kg/日 静注 分3
・薬剤;エルカルチンFF静注1000mg
Vit-H(ビオチン)
・一律2mg/日 内服 分3
・薬剤:ビオチン散 0.2%
全身性炎症
・cytokine stormが原因
症候群
・急性壊死性脳症(ANE)
・出血性ショック脳症症候群(HSES)
治療
・体温監理
・ステロイドパルス
・ガンマグロブリン
・血液浄化
・シクロスポリン
ステロイドパルス
・全身性炎症をきたす急性脳症において効果がある。
・ANEにおいては発症24時間以内の投与による有効性が示唆されている。
ガンマグロブリン大量療法
・1g/kgを12時間で点滴持続静注
シクロスポリン
・1-2mg/kg/日を持続点滴静注、7日間異常続ける
興奮毒性
・けいれん重積をきたす症候群が原因
症候群
・けいれん重積型(二相性)急性脳症
・難治頻回部分発作重責型急性脳炎(AERRPS)
治療
・体温管理
・デキストロメトルファン
・フリーラジカル除去
・シクロスポリン
デキストロメトルファン
・2mg/kg/日(上限45mg/日) 分3
・薬剤:メジコン錠(15mg錠)
フリーラジカル消去剤
・0.5 mg/kg/dose 1日2回静注、2日以上続ける
・薬剤:エダラボン


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