【小児科医blog:血液】自己免疫性溶血性貧血(AIHA) | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:血液】自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

血液
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総論

・自己免疫性溶血性貧血(Autoimmune Hemolytic Anemia, AIHA)は、自己抗体が赤血球を攻撃することによって引き起こされる稀な疾患です。

・本記事では、最新の研究や治療法を基に、AIHAの診断と管理について専門的な視点から解説します。

概要


・AIHAは、赤血球が自己抗体により破壊されることで発症します。

・この疾患は温式抗体型(warm AIHA)と寒冷凝集素病(cold agglutinin disease, CAD)に大別され、それぞれ異なる病態と治療法を持ちます。

・温式AIHAは主にIgG抗体が関与し、37℃付近で活性化します。一方、CADはIgM抗体によるもので、低温(4℃付近)で活性化するのが特徴です。


診断

・AIHAの診断には、貧血の存在と溶血の証拠(例えば、網赤血球増加、低ハプトグロビン、高乳酸脱水素酵素(LDH)、間接ビリルビン上昇)が重要です。

    直接抗グロブリン試験(DAT)

    ・DAT(Coombs試験)は、赤血球表面に付着した自己抗体や補体を検出するために使用されます。

    ・この試験はAIHAの診断とサブタイプ分類において不可欠です。

    ・ただし、DAT陽性であっても必ずしもAIHAとは限らないため、他の原因を除外する必要があります。

      二次性AIHAの鑑別


      ・AIHAは原発性(特定の基礎疾患なし)または二次性(他疾患に関連)として分類されます。

      ・二次性の場合、ウイルス感染症、リンパ系腫瘍、自身免疫疾患(例:全身性エリテマトーデス)などが原因となることがあります。

        治療

        温式AIHA(warm AIHA)の治療

        ステロイド療法

        ・第一選択治療としてプレドニゾロンが用いられます。

        ・初期投与量は1-1.5 mg/kg/日で、2-3週間後に徐々に減量します。


        リツキシマブ

        ・ステロイド抵抗性または重症例ではリツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体)が推奨されます。

        ・リツキシマブは高い反応率を示しており、第二選択治療として広く使用されています。

        免疫抑制剤

        ・アザチオプリンやミコフェノール酸モフェチルなどが第三選択として使用されることがあります。

        寒冷凝集素病(CAD)の治療

        補体阻害薬

        ・C1s阻害薬であるスチムリマブはCAD患者において迅速かつ効果的なヘモグロビン値改善を示しています。

        B細胞標的治療薬

        ・リツキシマブや新規B細胞標的薬も有望視されています。

        合併症管理・支持療法


        AIHA患者では以下の合併症管理が重要です


        • 感染症予防:免疫抑制療法中の感染リスク軽減のためワクチン接種や感染対策が推奨されます。
        • 輸血管理:緊急時には慎重な交差試験を行った上で輸血が行われます。
        • エリスロポエチン補充:内因性エリスロポエチン不足の場合には有効です。

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