【小児科医blog: 薬剤】小児リウマチ性疾患における免疫抑制薬まとめ | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog: 薬剤】小児リウマチ性疾患における免疫抑制薬まとめ

薬剤
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・小児のリウマチ性疾患で使用する免疫抑制薬についてまとめます。

・リウマチ性疾患の治療の主軸はステロイドですが、成長障害をはじめとする副作用の観点から、寛解導入後は、可能な限り少量で維持、または中止を目指すのが原則です。

・免疫抑制薬はステロイド抵抗例への適応だけでなく、ステロイドの減量効果を目的として、リウマチ性疾患に治療において重要な薬剤です。

・免疫抑制薬は作用機序によって分類され、様々な種類の薬剤があります。今回は、作用機序による分類ごとにまとめます。

代謝拮抗薬

・代謝拮抗薬は、核酸合成阻害を介して免疫担当細胞の増殖、分化を抑制します。

・リウマチ性疾患で使用される薬剤としては、プリン代謝拮抗薬のアザチオプリン(azathiprine: AZA)、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil: MMF)、ミゾリビン、葉酸代謝拮抗薬のメトトレキサート(methotrexate: MTX)が挙げられます。

葉酸代謝拮抗薬

薬剤名商品名投与量作用機序適応疾患主な副作用
メトトレキサート (MTX)リウマトレックス6~16mg/週(経口または皮下注)葉酸代謝拮抗によりDNA合成を阻害関節リウマチ骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎、消化器症状

プリン代謝拮抗薬

アザチオプリン

項目詳細
商品名イムラン、アザニン
作用機序プリン合成を阻害し、免疫細胞(特にT細胞とB細胞)の増殖を抑制する。
適応疾患関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎、皮膚筋炎など
投与量通常、成人では1~2mg/kg/日(経口)。症状に応じて調整される。
主な副作用骨髄抑制(白血球減少、貧血、血小板減少)、肝機能障害、感染症リスク増加、悪心・嘔吐、発疹など
注意点– NUDT15遺伝子多型検査で副作用リスクを事前に評価可能。
– アロプリノールとの併用で副作用増強の可能性あり。

ミコフェノール酸モフェチル

項目詳細
商品名セルセプト
作用機序プリン合成経路の律速酵素であるイノシン-リン酸デヒドロゲナーゼ(IMP-DH)を阻害し、T細胞とB細胞の増殖を抑制する。
適応疾患ループス腎炎、関節リウマチ(適応外使用の場合あり)、臓器移植後の拒絶反応予防
投与量通常、成人では1回250~1,000mgを1日2回(12時間ごと)食後に経口投与。最大3,000mg/日まで。
主な副作用感染症(サイトメガロウイルス感染など)、骨髄抑制、高血圧、高血糖、消化器症状(下痢・悪心)
注意点– 妊娠中の使用は催奇形性のリスクがあるため禁忌。
– 血中濃度のモニタリングが推奨される。

ミゾリビン

項目詳細
商品名ブレディニン
作用機序プリン合成経路を阻害し、T細胞およびB細胞のDNA合成を抑制することで免疫抑制作用を発揮する。
適応疾患関節リウマチ、ループス腎炎、ネフローゼ症候群など
投与量通常、成人では50~150mg/日(経口)。症状に応じて調整される。
主な副作用高尿酸血症、骨髄抑制(白血球減少など)、肝機能障害、消化器症状(悪心・嘔吐)
注意点– 高尿酸血症に注意が必要。
– 他の免疫抑制薬と比較して効果はやや弱いが、副作用は少ない傾向がある。

まとめ

  • アザチオプリンは幅広い自己免疫疾患に使用されるが、副作用として骨髄抑制が重要であり定期的な血液検査が必要です。
  • ミコフェノール酸モフェチルはループス腎炎や臓器移植後の拒絶反応予防でよく使用されますが、高い感染症リスクや催奇形性に注意が必要です。
  • ミゾリビンは比較的安全性が高いものの、高尿酸血症や効果の弱さが課題となります。

アルキル化剤

・主に、シクロホスファミドが使用されます。

薬剤名商品名投与量作用機序適応疾患主な副作用
シクロホスファミド (CPA)エンドキサン1~2mg/kg/日(経口)または0.75g/m²(静注)間欠投与DNAのアルキル化による複製阻害難治性関節リウマチ、血管炎症候群感染症、不妊症、出血性膀胱炎、悪性腫瘍

カルシニューリン阻害薬

・カルシニューリンは、カルシウムイオン(Ca2+)結合タンパク質であるカルモデュリンと結合することで活性化されるCa2+/カルモデュリン依存性の脱リン酸化酵素です。

・活性化されたカルシニューリンは転写因子nuclear factor activated T cell(NFAT)を脱リン酸化することで核内へ移行させ、IL-2などのサイトカインの転写を誘導します。

薬剤名商品名投与量作用機序適応疾患主な副作用
タクロリムスプログラフ1.5~3mg/日(経口)カルシニューリン阻害によるT細胞活性化の抑制関節リウマチ、多発性筋炎・皮膚筋炎腎障害、高血糖、高血圧、感染症
シクロスポリンネオーラル3~6mg/kg/日(経口)同上関節リウマチ腎障害、高血圧、多毛

解説と注意点

  • 代謝拮抗薬: メトトレキサートは関節リウマチ治療の第一選択薬であり、効果が確認されるまで数週間から数か月かかります。葉酸補充が推奨され、副作用のモニタリングが重要です。
  • アルキル化剤: シクロホスファミドは重症例や治療抵抗性の患者に使用されますが、副作用として出血性膀胱炎や悪性腫瘍のリスクがあるため慎重な管理が必要です。
  • カルシニューリン阻害薬: タクロリムスやシクロスポリンはステロイド抵抗性の関節リウマチや他の自己免疫疾患に使用されます。血中濃度のモニタリングが必須です。

投与時の注意点

  1. 感染症対策: 免疫抑制薬は感染症リスクを高めるため、患者には手洗いや予防接種(生ワクチンは不可)の指導が必要です。
  2. 定期検査: 血液検査や肝腎機能検査を定期的に行い、副作用の早期発見に努めます。
  3. 妊娠・授乳中の使用: 多くの免疫抑制薬は妊娠中または授乳中には禁忌です。計画妊娠の場合は医師と相談してください。

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