【小児科医blog:消化器, 症候】小児の血便・下血について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:消化器, 症候】小児の血便・下血について

消化器

Introduction

「血便があって心配です….。」といって小児科外来にくるケースは、決して少なくありません。多くは問題のないことが多いですが、それでもやはり危険な疾患が認められることも多いです。今回の血便の患者さんを見た時、どのように行動していけばよいかをまとめてみます。

1. 下痢・嘔吐・腹痛がある場合

嘔吐が3日間以上持続 or 重症度高い

・脱水補正のため輸液、低血糖の検査やBUN・ケトン体などの評価のため血液検査を行います。

下痢があり、腸重積症を疑う場合

・腹部エコーでtarget signを調べます。また便培養(細菌性・ウイルス性腸炎)を行い、腸重積の原因となる疾患について検索します。

下痢が1ヶ月以上続いている+体重増加不良

・長期の経過の場合、炎症性腸疾患、消化管アレルギー、甲状腺機能亢進症、免疫不全、乳糖不耐症などについて調べる必要があります。

腹痛がある場合

・浣腸を行い改善するものか(便秘症か)を調べます。浣腸を行えば便性の確認もでき、腸重積の見逃しのリスクも減らることができます。

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1. に該当しないケース

2. 生後6ヶ月未満

母乳栄養の場合

・リンパ濾胞過形成

大量のリンパ節が母乳に含まれる様々な物質に反応し、腫大する。その過程で大腸粘膜が破れ出血する。便に線状の出血が混じる。数ヶ月の経過で自然に治り、痛みは伴わず児は元気。

母乳栄養ではない場合

・新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎

生後6ヶ月未満でミルクメインなら考慮する。嘔吐を伴うものはFPIES(ミルク摂取1-4時間で嘔吐。発熱・CRP上昇がみられ敗血症と混同することも)、血便単独であればFPIAPで緊急性は低い、ちなみに血便がなく、下痢や体重増加不良を主体とする場合はFPEとよぶ。末梢血好酸球検査(20%以上で強い疑い)、便中好酸球、抗原特異的リンパ球刺激試験(ALST)、TARC(アトピーコントロール不良が合併する場合は有用ではない)

3. 生後6ヶ月〜6歳未満

間欠的な啼泣あり

・腸重積症

間欠的腹痛、嘔吐、血便が3主徴であるが、3つ揃う例は50%以下。初期の腸重積では血便を認めないこともあり、血便を認める例は時間が発症から経過しているので早急に診断・治療を実施する。

肛門粘膜の6時または12時に亀裂がある

・裂肛

明るい色の血便。おしり拭きに血液の付着あり。排便時の疼痛で便秘症が悪化するという悪循環に陥ることもある。

大量の下血、色が暗赤色、レンガ色、ブルーベリー色

・Meckel憩室

特徴的な便色は憩室から胃酸が分泌されるため。比較的多量の下血。Tc-99m-スキャンの感度は85%、特異度は95%である。絶食とH2ブロッカー投与でほとんど止血される。

血便を繰り返す場合

・若年性ポリープ

直腸、S状結腸に単発製に発生することが多い。それ以外は、便培養の結果次第でウイルス性or細菌性腸炎についても調べておく。

4. 6歳以降

黒色便・タール便

・胃十二指腸潰瘍、H. pylori感染症

血便を繰り返す

・Crohn病、潰瘍性大腸炎も疑う。それ以外は便培養の結果次第でウイルス性or細菌性腸炎

もちろん例外もありますが、診察の目安として考えてます!

下血・血便の出血部位について

・便の色により、出血部位はある程度推定が可能です。

鮮赤色

・主に左半結腸より肛門側の出血

暗赤色

・小腸から右半結腸にかけての出血

黒色便・タール便

・近位空腸や十二指腸Treitz靭帯より口側の上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血

便の性状と鑑別疾患

・便の性状によって、考えられる疾患も変化してきます。

ブルーベリージャム状

・Meckel憩室

イチゴジャム状

・腸重積症

点状出血

・リンパ濾胞増殖症

線状出血

・大腸ポリープ

・裂肛

排便後出血・ティッシュへの付着

・痔

・裂肛

水様の下血

・炎症性腸疾患

・感染性腸炎

時期による下血・血便の原因疾患

・新生児〜乳児期と、幼児期以降で鑑別疾患は異なる。

新生児・乳児期

・新生児メレナ

・急性胃粘膜病変

・胃十二指腸潰瘍

・腸回転異常

・壊死性腸炎

・腸重積症

・肛門病変

・リンパ濾胞増殖症

・凝固障害

・飲み込んだ母体血

幼児期以降

・消化管ポリープ、ポリポーシス

・急性胃粘膜病変

・胃十二指腸潰瘍

・炎症性腸疾患

・Meckel憩室

・腸重積症

・感染性腸炎

・Mallory-Weiss症候群

・食道静脈瘤

・IgA血管炎

・肛門病変

・直腸粘膜離脱症候群

・溶血性尿毒症症候群

・凝固障害

・飲み込んだ鼻出血

下の本を参考にしているのでぜひぜひ!

参考文献

1. 小児科ですぐに戦えるホコとタテ-小児科ではコモンなディジーズの診方-

2. 慶應義塾大学病院IBDセンターHP

クローン病について - 慶應義塾大学病院IBD(炎症性腸疾患)センター
慶應義塾大学病院IBD(炎症性腸疾患)センター

3. 難病情報センター

クローン病(指定難病96) – 難病情報センター

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