こんにちは、小児科医りんご🍎です。
今シーズンのインフルエンザは、例年より早くA型がピークを迎えましたが、年明けからB型への入れ替わりが急激に進んでいます。「12月にA型にかかったからもう安心」と思っていたご家庭でも、B型に再感染するケースが多発しているため注意が必要です。
2026年最新:インフルエンザB型の3つの特徴
今流行しているのは、主に「ビクトリア系統」と呼ばれるB型ウイルスです。A型と比べて「症状が軽い」と言われることもありましたが、現場の感覚としては「A型と同じくらい高熱が出るし、しぶとい」のが正直なところです。
1. 「お腹」にくる症状が多い
B型は、呼吸器症状(咳・鼻水)だけでなく、腹痛、下痢、嘔吐といった消化器症状を伴いやすいのが大きな特徴です。「お腹の風邪(感染性胃腸炎)かな?」と思っていたら、実はインフルエンザだったというケースが少なくありません。
2. 熱が下がっても油断禁物「二峰性発熱」
B型で非常によく見られるのが、「二峰性発熱(にほうせいはつねつ)」です。
- 1回目: 発症から1〜2日高熱が出る。
- 中休み: 一旦、平熱〜微熱まで下がる(ここで「治った!」と勘違いしやすい)。
- 2回目: 再び38〜39度の熱が出る。ラクダのコブのように熱のピークが2回来るため、親御さんは「ぶり返した!」「合併症?」と驚かれますが、B型では珍しくない経過です。
3. A型よりも「解熱までが長い」傾向
統計的にも、B型はA型に比べて熱が下がるまでに時間がかかる傾向があります。A型が薬を飲んで1日で下がるなら、B型は2〜3日かかることも。そのため、お子さんの体力の消耗が激しくなりがちです。
インフルエンザA型とB型の比較表(2025-26シーズン版)
| 特徴 | インフルエンザA型 | インフルエンザB型(現在主流) |
| 主な流行時期 | 11月〜1月(今季は早期流行) | 1月後半〜3月 |
| 熱の出方 | 急激な高熱。スパッと下がりやすい | 高熱だが、二峰性(ぶり返し)が多い |
| お腹の症状 | 比較的少ない | 腹痛・下痢・嘔吐が出やすい |
| 流行の広がり | 大流行しやすい(パンデミック) | 学校や地域単位で根強く広がる |
| 再感染 | A型内での型違いによる再感染あり | A型にかかった後でも感染する |
小児科医による「ダブルチェック」ポイント:2026年の治療指針
最新のガイドライン(2025/26シーズン用)に基づいた重要な情報を共有します。
ただし、薬剤の選択については、今なおベストな選択肢が決まっている訳ではありません。かかりつけ医・主治医と相談しながら、薬剤についても決めていきましょう。
💡 治療薬の最新トピックス
今シーズンの日本小児科学会の指針では、インフルエンザB型に対して「ゾフルーザ(バロキサビル)」の使用を前向きに検討する旨が記載されています。
- 理由: 臨床データにおいて、B型に対しては従来のタミフル等よりも、ゾフルーザの方が「発熱期間を短縮させる効果が高い」という報告があるためです。
- 注意点: 5歳未満や10kg未満のお子さん、または耐性ウイルスの懸念がある場合は、医師が慎重に判断します。
検査のタイミング
「熱が出てすぐ」に病院へ行っても、検査キットが反応せず(偽陰性)、お子さんに痛い思いを2回させてしまうことがあります。『発熱から12時間以上(できれば24時間近く)』経過してからの受診が、最も正確に診断できます。
家庭でのケアと「受診の目安」
B型は熱が長引きやすく、お腹の症状も出るため、「脱水対策」が最優先です。
- 水分補給: 経口補水液(OS-1など)を、スプーン1杯ずつからでもこまめに与えてください。
- 異常行動に注意: 型に関わらず、発熱から2日間は異常行動(急に走り出す、窓を開けようとする等)のリスクがあります。必ず大人が同じ部屋で見守ってください。
🚨 すぐに再受診すべきサイン
- 呼びかけても視線が合わない、ボーっとしている。
- 水分が全く取れず、半日以上おしっこが出ていない。
- 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、胸がペコペコ凹む)。
- 熱が下がっていたのに、再び上がり、元気が極端に悪い。
最後に
インフルエンザB型は、長引く熱とお腹の症状で、お子さんも看病するご家族も疲弊しやすい病気です。でも、適切な休息と水分補給、そして必要に応じた抗ウイルス薬の服用で必ず良くなります。
「うちの子、ちょっと様子が変かも?」と直感的に感じたら、迷わずかかりつけ医に相談してくださいね。私たちは、頑張るママ・パパの味方です。


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