・伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)は、主に小児がかかるウイルス性疾患で、「リンゴ病」としても知られています。
・今回は、伝染性紅斑を疑う所見、症状の経過、どれくらいで登園・登校できるようになるか、についてをまとめます。
総論
・ヒトパルボウイルスB19(Parvovirus B19:PVB19)による感染症
・日本では「りんご病」ともいう。この別名は、感染すると頬に特徴的な赤い発疹が現れるため名付けられました。決して、りんごが原因ではないです。
・診断については我が国の感染症法では「左右の頬部に紅斑が出現し、四肢にレース状の紅斑が出現すること」と定められている。
・春から初夏にかけて流行することが多いですが、2023/2024年は冬季にも異常な流行が見られました
原因ウイルス
・ヒトパルボウイルスB19はDNAウイルスであり、赤血球の前駆細胞に感染して増殖します。
・このため、一部の患者では貧血や免疫力低下が見られることがあります
頻度
・好発年齢は6-12歳(小学生くらい)
・妊娠中にヒトパルボウイルスB19に感染する確率は3%程度だが、妊娠20週までに感染した場合の胎児死亡率は11%である。
感染経路
- 飛沫感染:咳やくしゃみを通じてウイルスが広がります。
- 接触感染:ウイルスが付着した手や物品を介して感染します。
- 母子感染:妊婦から胎児への垂直感染も報告されています
経過・症状
・潜伏期間は16-17日 (10-20日の範囲)
・発熱、咳嗽、鼻汁、関節痛などのいわゆる風邪症状が2-5日持続した後に、頬がりんごのように赤くなる。
・その後四肢に紅斑が広がり、紅斑の中心部から色が消退するためレース様になる。
・レース様紅斑は日光や入浴で悪化することがある。長袖や帽子で直射日光を避け、シャワー浴で済ませるなどの対応をする。
・1-3週間以上発疹が拡大する可能性がある。
・ウイルス排出は発疹出現7日前から発疹出現まで。感冒症状や微熱などの前駆症状期間にはウイルス血症をきたしており、ウイルス排泄量が最も多くなります。発疹が出現して伝染性紅斑と診断された時には誰にも感染しない状態です。
・一度罹患すれば終生免疫を得る。
出席停止期間
・発疹が出て診断された時には感染力はないので、登校登園に影響はない。
検査方法
血清学的検査:ヒトパルボウイルスB19特異的IgM抗体およびIgG抗体の検出
→現在保険適応となっているのは、妊婦への感染が疑われた時のEIAによるPVB10IgM抗体のみ(IgGは適応外)。小児の伝染性紅斑をはじめとするPVB19感染症にはPVB19IgMおよびIgGは保険適応がなされていない。
PCR検査:高感度でウイルスDNAを直接検出できます。特に妊婦や免疫不全患者で行われます
→しかし、こちらも血清学的検査同様に保険適応はされていません。
<参考>
注意点
・鎌状赤血球症、サラセミア、遺伝性球状赤血球症などの血液疾患患者では、重度の貧血を起こす可能性がある(「一過性骨髄無形成発作」という)。
・貧血は輸血を要するほど重度となるが、数日〜数週間の経過で自然に消失する。


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