こんにちは!日々2歳娘のイヤイヤ期と格闘しつつ小児科医として働いている小児科医りんごです。
子どもが外遊びで虫に刺されたり、あせもを掻きむしったりした跡が、いつの間にかジクジクして水ぶくれになり、あっという間に全身に広がってしまった……そんな経験はありませんか?
それはもしかすると、「とびひ(伝染性膿痂疹)」かもしれません。
今回は、パパ・ママから診察室でもよく質問を受ける「とびひ」について、原因や正しいホームケア、そして気になる保育園の登園目安まで、ゆるっと、でもしっかり分かりやすく解説していきます!
1. 「とびひ」ってどんな病気?
とびひの正式な医学用語は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。 火事の火の粉が「飛び火」してあちこちに広がるように、あっという間に全身へうつっていく様子から、一般的に「とびひ」と呼ばれています。
なぜ「とびひ」になるの?
原因は細菌の感染です。 私たちの皮膚や鼻の中には、普段から「黄色ブドウ球菌」や「溶血性連鎖球菌(溶連菌)」といった細菌が住んでいます。
健康な皮膚なら問題ないのですが、以下のようなキッカケで皮膚のバリア機能が壊れると、そこから細菌が入り込んで増殖してしまいます。
- 虫刺されやあせもを掻きむしった傷
- すり傷や切り傷
- アトピー性皮膚炎や乾燥肌による湿疹
2. 見逃さないで!とびひの主な症状
とびひには大きく分けて2つのタイプがありますが、「水疱性(すいほうせい)膿痂疹」「痂皮性 (かひせい) 膿痂疹」の2種類があります。
水疱性
・顔面、体幹部、殿部に発症することが多い
・小さな水疱 (みずぶくれ) から拡大して、弛緩性の水疱に変化。容易の破れて、びらんを形成する。
痂皮性
・病変は主に顔面および四肢に発生する。
・丘疹 (皮膚表面の小さな盛り上がり) で始まり、周囲に紅斑 (平たい赤み) を伴った小さな水疱 (みずぶくれ) へと進展する。
・その後、膿疱を形成し、特徴的な厚みをもった痂皮 (かさぶた) が付着する。
3. ここが肝心!おうちでできる正しいケアと予防策
とびひを早く治し、兄弟や家族にうつさないためには、病院でのお薬と同じくらいおうちでのスキンケアが重要です。
① とにかく清潔に!石鹸で優しく洗う
「ジクジクしているから洗わない方がいいのかな?」と思うかもしれませんが、それは逆効果です。細菌を洗い流すために、1日1回はシャワーで清潔にしましょう。 ポイントは「たっぷりの泡で優しく手洗い」すること。 ゴシゴシ擦るのはNGです。シャワーの水圧を少し弱めにして、泡と一緒にばい菌をしっかり洗い流してください。
② 爪は短く、丸く切る
2歳前後の子どもに「掻いちゃダメ!」と言っても無理ですよね。被害を最小限にするため、爪は短く切り、やすりで角を丸く整えておきましょう。
③ タオルは家族と共有しない
タオルを介して家族にうつることがあります。とびひが治るまでは、患部を拭くタオルは別にするか、使い捨てのペーパータオルを使うのがおすすめです。お風呂も、湯船には浸からずシャワー浴のみにするか、一番最後に入るようにしましょう。
4. 小児科・皮膚科での治療
病院では、主に以下の2つのお薬を使って治療します。
- 塗り薬(抗菌薬の軟膏): 原因となっている細菌をやっつけるお薬です。患部に塗った後、触らないようにガーゼなどで覆います。
- 飲み薬(抗菌薬の内服): 症状が広範囲に及んでいる場合や、熱があるなど症状が強い場合に処方されます。※処方された飲み薬は、途中でやめずに出された日数をしっかり飲み切ることが大切です!
5. 気になる疑問:保育園や幼稚園は休ませるべき?
お仕事をしているパパ・ママにとって一番気になるのが「登園できるかどうか」ですよね。
結論から言うと、とびひは原則として「出席停止」になる病気ではありません。 ただし、他の子どもにうつさないための配慮が必要です。
登園の条件: 患部をガーゼや包帯でしっかりと覆い、直接他の子どもに触れないようにすれば登園可能です。(絆創膏だけでは隙間から汁が漏れることがあるので注意が必要です)
プールの利用: 水を介してうつるというより、直接の接触でうつるリスクが高いため、完全に治るまではプールや水遊びはNGとなります。
※園によって独自のルール(登園許可証が必要など)を設けている場合があるため、必ず通っている保育園や幼稚園に確認してくださいね。
まとめ
とびひは、あっという間に広がってパニックになりがちですが、早期発見・早期治療で比較的すっきりと治る病気です。「あれ?ただの虫刺されじゃないかも…」と思ったら、広がってしまう前に早めに小児科や皮膚科を受診してくださいね。


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