壊死性腸炎(NEC)について | ゆるっと小児科医ブログ
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壊死性腸炎(NEC)について

新生児

NEC:necrotizing enterocolitis

病態・病因

・免疫能の未熟な腸管に虚血、低酸素、腸内細菌叢の異常、人工栄養などのストレスがかかることで腸管粘膜の防御機構が破綻すると発症し、腸管が壊死する。

・新生児仮死、無呼吸発作、新生児呼吸窮迫症候群、動脈管開存、臍動脈カテーテル、交換輸血などが腸管虚血の原因となる。

・低出生体重児に多く、在胎週数32週未満では2-7%、出生体重1000g未満では5-22%に発症するとの報告もある。

・発症時期は生後1-20日頃が多い。

所見

・Bellの病期分類が参考となる。

・初期には体温変動や無呼吸、徐脈など。

・消化器症状では哺乳力の低下、胃残乳量の増加、腹部膨満、胆汁性嘔吐などがみられる。

・進行してくると、活気がなくなり腹部膨満が悪化、肉眼的に血便もみられる。

・重症例では腹膜炎症状が出現し腹壁は固くなり、著名に緊満・発赤が見られる。

検査

血液検査

・炎症所見、血小板、凝固能の評価、血液ガス分析など

腹部単純X線

・初期には腸管の拡張像を認める。

・進行すると腸管壁内気腫や門脈内ガスを認める。

・穿孔を起こすと、気腹像を認める。

エコー検査

・初期には腸管壁の肥厚(2.7mm以上)

・進行すると腸管壁は菲薄化(1mm以下)する。

・腸管壁内気腫は、腸管壁内の点状または顆粒状の高エコー輝度像として描出される。

鑑別

限局性腸穿孔(FIP:focal intestinal perforation)

・NECにみられる感染徴候や壊死性変化を認めない、限局した腸管穿孔が特徴的。

・発症には腸管の未熟性の影響が考えられ、NECにくらべて在胎週数、出生体重ともに小さく、極・超低出生体重児に多くみられる。

・突然の発症が特徴で、早期に診断・手術を行えばNECに比べて予後は良好である。

胎便関連性イレウス(MRI:meconium related ileus)

・極、超低出生体重児に多く、未熟な腸管の蠕動障害により、胎便栓や粘稠度の高い胎便が充満する。

・胎便排泄遅延、腹部膨満、胆汁性嘔吐をきたす。

・診断と治療をかねたガストログラフィン注腸造影を行うとmicrocolonや、下部結腸や回腸遠位部にnarrow segmentの所見を認める。

治療と管理

予防

・母乳にはIgAやラクトフェリンなどの免疫物質が含まれており、可能であれば母乳を使用する。

・プロバイオティクスもNECの予防に有効であると推奨されている。

発症初期

・Bellの分類Ⅰ・Ⅱ期では内科的治療が優先される。絶食、胃チューブからの減圧を行い、抗菌薬を投与する。アシドーシスや電解質異常があれば補正し、必要に応じてカテコラミンや人工呼吸器を用いて呼吸・循環管理を行う。

進行例

・穿孔を認めた場合や腸管壊死の可能性がある場合は、緊急手術の適応。壊死腸管の切除、腸瘻造設術を行う。

・壊死腸管が広範囲に及んでいる場合は、腸瘻造設術やドレナージを先行して行い、循環が回復したあとに再手術を行うことで、すこしでも長く腸管を温存できる。

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