日本小児科学会雑誌 Injury Alertより参照です
今回も実際の症例をチェックしておきましょう!
※「(→)」の記載は個人の感想です。
事例
年齢:1歳9ヶ月 性別:男児 体重:10kg 身長:90cm
(→乳児とは違い、自分で動き回り、自由にものを掴んだりしてしまう年齢)
原因対象物
木製の球体
(→丸いものは、喉を通りやすい形状です。)
臨床診断名
異物誤嚥・窒息・心肺停止・低酸素脳症・誤嚥性肺炎
周囲の状況
<周囲の状況>
自宅で母親と一緒に遊んでいた
病歴と経過
自宅の居間で母親と遊んでいた。
母親が目を離した隙に木製の球体を2個誤嚥した。
母親が慌てて1個は取り出したが、残りの1個は取り出せず、チアノーゼと意識障害を認めたため、救急要請した。
救急隊が到着時に自己心拍はあったが、搬送途中に心肺停止となり、救急隊が残りの1個を取り出して病院に到着した。
木製の球体は、直径が25mmのボールであった。

治療経過と予後
・病院到着時は心静止であり、気管挿管をして心肺蘇生を継続した。
・挿管後の波形確認で心拍再開を確認した。最大心肺停止時間は約9分間であった。
(→迅速な対応。数分間が予後を左右していたのでしょう。救命士が搬送中にボールのおもちゃを取り出せたことが、救命センターでの迅速な対応につながったのは間違いありません。)
・救命センターに入室し、人工呼吸管理・低体温療法を行った。低体温療法は48時間施行し、鎮静・鎮痛剤及び、ドパミンで循環動態を維持した。
・低体温療法終了後、鎮静剤を中止し、3日後に抜管した。
・誤嚥性肺炎に対して1週間、抗菌薬を使用した。
・脳波では、後頭葉に棘波を疑わせる所見があり、頭部MRIでは拡散強調画像で後頭葉に高信号を認めた。
・受傷から2週間後に小児科病棟に転棟した。嚥下訓練、リハビリを継続した。
・退院時には立位は可能になり、食事も以前と同様のものが食べられるようになった。
(→チーム医療が、良質な医療には必要不可欠。患者の生活の質を上げることのできるリハビリは、そのプロフェッショナルに依頼を。)


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