頻脈発作の治療:ATP(アデホス)の使用方法 | ゆるっと小児科医ブログ
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頻脈発作の治療:ATP(アデホス)の使用方法

循環器

頻脈発作の治療

・PALSガイドラインでは、上室性頻拍が疑われる場合はアデノシン0.1-0.2 mg/kgまでの投与が推奨されている。

・しかし、本邦ではアデノシン三リン酸(ATP:アデホス®︎)が使用されることが多い。

・小児不整脈の診断・治療ガイドラインでは0.1mg/kg から開始し0.3mg/kgまで増量可能とされている。

●日本小児循環器学会

小児循環器学会ガイドライン | 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会

・しかし、分子量でみると、アデノシンとATPでは、ATPを使用する場合アデノシンの投与量の約2倍ほどの量が必要という報告もある。そのため、以前の記録からATPに対する反応性が不良とわかっているケースでは、少し多め、0.2mg/kgから開始しても良いかもしれない。

ATP(注 20mg/2mL)使用時の手順

①ルート確保時に三方活栓は比較的、児に近い位置に取り付ける

②ATPは原液のまま、0.15-0.2 mg/kg注入する。

③その直後に生食20mLをできる限り急速静注する。変化がない時は、直後に20mL追加で急速静注。

 ※幼少児の場合は10mLでも可。逆に成人体格の児では20mL×2-3本は必要。

 ※50mLの注射器だと抵抗があり、スムーズに押せないので注意。

④効果がないときは、ATP0.3 mg/kgを同様の方法で。

⑤ATP投与後にも嘔気が強く、再燃しやすい児の場合は、あらかじめアタラックスPを投与しておくと効果的。

参考文献

  1. はじめて学ぶ小児循環器(改訂第2版)
はじめて学ぶ小児循環器 改訂第2版
研修医・一般小児科医・小児循環器科医に向けた小児循環器の入門書,改訂第2版.典型的な症例の呈示から診療のポイントを解説する基本構成や先天性心疾患の血行動態模式図など初版の特長は踏襲しながら,初版から約5年,この間の進歩を盛り込み,各項では胎...

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