Introduction
・今回は、学校検尿で指摘されることのある、蛋白尿についてまとめます。
・もし、学校検尿で蛋白尿を指摘されて病院に受診された際、どんな検査をすれば良いのでしょうか?また、腎専門医につなげるには、検査値の異常をどこに定めれば良いのでしょうか?
検査すべき項目
・学校検尿の一次・二次検尿で尿蛋白の異常が指摘された場合、精密検査のため病院に紹介されてきます。その際確認するべき、血液・尿検査項目の一例です。
血液検査
血算、肝腎機能、電解質、T-chol、TG、シスタチンC、補体(C3,C4,CH50)、IgG・A・M、肝炎を含む感染症、ASO、ASK、抗核抗体、凝固系
尿検査
β2MG、NAGなど含め一般尿検査
β2MG:先天性腎尿路異常(CAKUT)において、血清クレアチニンの上昇や尿蛋白の上昇よりも早期に尿中β2MGが上昇することがある。
問診で聞いておくべき項目
・浮腫、体重増加の有無
・紫斑の有無
・難聴になったことがあるか、難聴の家族歴はあるか
尿検査の注意点
・定期検査で尿蛋白陽性の場合、まずは生理的タンパク尿を除外する。特に体位性たんぱく尿を除外するために、早朝第一尿と随時尿で尿蛋白の有無を評価する。
・早朝第一尿の採尿には、就寝前の完全排尿が重要である。早朝タンパク尿陽性で、生理的タンパク尿が否定された場合は、病的タンパク尿として評価を行う。
尿蛋白/クレアチニン比(g/gCr)
・24時間蓄尿での評価がgold standardであるが、日常診療では尿蛋白/Cre比で行う。
・尿中に排泄される成人での1日尿中Cre排泄量が1g程度であることを利用して、随時尿で尿蛋白/Cre比を測定し、1日尿蛋白量を測定する。
尿蛋白単独でも腎臓専門医に紹介する基準
| 尿蛋白/クレアチニン比(g/gCr) | 持続期間 |
| 0.15-0.4 | 6-12ヶ月 |
| 0.5-0.9 | 3-6ヶ月 |
| 1.0-1.9 | 1-3ヶ月 |
・しかし、小児の1日尿Cre排泄量は体格によって異なるので、3歳以上では0.15 g/gCr以上を蛋白尿とするが、3歳未満では各年齢によって基準値が異なる。
小児の尿蛋白/ 尿クレアチニン比基準
| 年齢 | 尿蛋白/ 尿クレアチニン(g/gCr) |
| 0.1ヶ月~ | 0.7 |
| 0.5ヶ月~ | 0.55 |
| 1歳~ | 0.4 |
| 2歳~ | 0.3 |
| 3歳~ | 0.15 |
検尿のポイント(3歳時検尿の場合)
正しい尿の採り方
<紙コップの場合>
・検査当日に早朝第一尿(出始めの尿ではなく、途中の尿「中間尿」をとる)を紙コップに採り、プラスティックの容器に移し替え、容器の入っていたビニール袋に入れて会場に持参する。
・尿の量は容器の半分程度でよい。
<おむつの場合>
・就寝前に、尿のつくところに清潔なガーゼやコットンを貼り付けておく。
・ガーゼやコットンの舌には、ラップなど水を通さないものを敷いておくとよい。
・プラスティック容器に、ガーゼやコットンに染み込んだ尿を絞る。
尿試験紙による尿蛋白判定の注意点
・早朝第一尿が採れない場合は随時尿でも良い。
・試験紙の中央の呈色で判定する。外側の紙の色は判定には用いない。
・基準色調表と比較し、満たす色調の最大濃度を採用する(基準に達しない場合は切り上げないこと。つまり、1+より濃いが2+に満たない場合は1+と判定する)
・判定は十分に明るい場所で行う。
腎臓超音波検査の異常所見
・片側腎長径:5.7cm未満
・腎長径左右差:1.1cm以上
・水腎症:SFU-grade 3度以上(腎盂拡張+腎杯の拡張所見あり、皮質菲薄化なし)


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