今回は、コンセントに鍵を子供が差し込んでしまったことによる電撃傷についての報告です。
では以下は「日本小児科学会 Injury Alert」より参照です。
症例
5歳2ヶ月、女児
臨床診断名:手掌電撃傷
原因対象:美容室のロッカーの鍵、美容室の壁に設置されたコンセント
発生場所:美容室のロッカーの鍵は顧客が管理していたが、当時こどもの手が届く場所に置いてあったと推定される。コンセントは鏡に備え付けのもので、床から高さ70cm程度のところで、子供の手が届きやすい場所であった。
発症時の詳しい様子と経緯
母親と祖母が同じ美容室におり、患児は一人で遊んでいた。その美容室では顧客用のロッカーの鍵は個人で管理するようになっていた。患児は2人分の鍵を両手に持ち、美容室の鏡に備え付けてある一般的な家庭用100Vコンセントの両端子にほぼ同時に鍵を差し込んだと思われる。鍵に付属していたプラスティックのタグは焼ききれているものもあった。
治療経過と予後
受傷後すぐに当院受診、独歩来院し、バイタルサインに異常を認めなかった。不整脈はなし。
両側手指に1-2度の熱傷および黒色変化が散在し、右手掌に直径10mm程度の電流斑を認めた。
熱傷の処置をした後、高次医療機関に紹介した。
高次施設では、不整脈、横紋筋融解症などがないことを確認した。2日後には右手掌の電流斑は20mm程度に広がり、右第4指基節骨部にも電流斑を認めた。
電撃傷
日本救急医学会HPでは以下のように電撃傷の解説がされています。

・体内に高電流が流れることによって生じる損傷をいう。
・電流によるジュール熱が深部組織を損傷する真性電撃傷と,衣服火災などによる電気火傷(熱傷)がある。
・真性電撃傷では体表面の創と重症度は必ずしも一致しない。
真性電撃傷
・流斑(電流出入口部の潰瘍,炭化・凝固壊死)を形成することがあるが,電流出入口部の抵抗と接触面積により創の程度は異なるため重症度は創の大きさに一致しない。
・重症度は電流斑の位置から電流が通電した皮膚,心血管系,筋肉,腱などの損傷を推定し,胸部症状,麻痺,意識障害および心電図変化,不整脈などにより評価する。
・高電圧では筋の攣縮や墜落などにより頭部・胸腹部外傷,臓器損傷,脊椎・脊髄損傷,骨折,脱臼をおこすことがある。
電気火傷
・高電圧(約10万V)のアーク放電により瞬間的に高温(500~2500℃)となり,電紋(シダの葉状のI度熱傷)を生じたり,衣服などに着火して広範囲熱傷をきたすことがある。
最後に….
コンセントでの事故は定期的に報告されています。
子供は自由に動きまわり、大人の考えないようなことを普通にします。
使用していないコンセントにはカバーをする、また、コンセントにものを突っ込まないことを日々説明するなど対策が必要ですね。


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