総論
・18番染色体の代表的な疾患、18トリソミー、Edwards症候群についてまとめます。
・18番染色体は全DNAの約5%を占め、常染色体の中では21番染色体に次いで2番目に遺伝子数が少なく、約400の遺伝子が含まれます。
・胎内にて羊水過多がみられ、これにより早産をきたし、低出生体重児となることが多いです(21, 18, 13トリソミー全てに当てはまる事項)。
病因・疫学
・18番染色体の減数分裂時の不分離が主な原因。18番染色体の全部、あるいは一部が3コピーあることに基づく先天異常症候群です。
・頻度は3,500〜7,000 (約5,000) 出生 に1人。
・母体年齢上昇とともに頻度は増加。
・標準型トリソミーが80%を占めるが、他はモザイクあるいは転座型である。
症候
羊水過多
・子宮内発育遅延
・筋緊張亢進
顔貌
・後頭部突出
・小顎
・小さな口
・下顎後退
・耳介異形成(耳介低位)
・短い眼瞼裂
四肢
・手指重畳(手指の重なり)
・四肢の屈曲拘縮
・爪低形成
・踵骨突出(ゆりかご様足底、船足底、 rocker-bottom foot)
腹部
・鼠蹊ヘルニア
・臍帯ヘルニア
皮膚
・過剰皮膚
・多毛
消化管
・胃食道逆流や誤嚥は、肺炎や早期死亡の原因となるので要注意。
・食道閉鎖(気管食道瘻)は約5%にみられる。
・肥厚性幽門狭窄、胆道閉鎖の報告もあり。
心臓
・90%に先天性心疾患がみられる。また、1割ほども複雑心奇形を認める。
・心室中隔欠損症:先天性心疾患の内でも多い。
・心房中隔欠損症
・動脈管開存症など…
・肺血流増加性の心疾患において、一般的な児と比べて18トリソミーの児は早期に肺血管抵抗が上昇することが知られている。
神経
・脳梁欠損
・多小脳回
・水頭症
・脊髄髄膜瘤
・年少児では低緊張、年長児では過緊張を認める。
・てんかんや中枢性無呼吸を合併する。てんかんは25-50%にみられる。
眼科
・10%弱に構造的異常、白内障、角膜混濁が認められる。
・年長児では羞明がよくみられ、サングラスを必要とすることもある。
耳鼻科
・高頻度に中等度〜高度の難聴がみられるが、正確な頻度はわかっていない。
・小耳や外耳道閉鎖が稀に見られる。
泌尿器
・約2/3に馬蹄腎がみられる。
整形外科
・5-10%に橈骨欠損/形成不全や他の軸前性四肢骨欠損を認める。
・内反尖足や外反尖足は半数で見られる。時に関節拘縮を認める。
・屈指を伴う指の重なりは診断の手がかりになる。
・側湾症は4-5歳以降によくみられ、5-10歳にかけて進行することがある。
血液
・新生児の8割くらいに血小板減少を認める。
予後
・以前は予後不良として、診断が確定すれば基本的にintensive careの適応はないとされてきた(先天性心疾患に伴う心不全や呼吸不全が原因)。しかし、長期生存例の報告も多く、治療適応の判断は個々の症例に応じて考えることが重要


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